MONT SAINT-MICHEL

モン サン ミッシェル

MONT SAINT-MICHEL

1993年 日本アカデミー賞協会特別賞を受賞。同年、自身初の絵画作品《トレメンダス》を世に放つ
黒澤明、岡本喜八、伊丹十三、大林宣彦──日本映画界を牽引した名匠たちの作品に携わってきた島倉が、満を持して筆をとり、新たな表現の扉を開きました。その後、初期4部作第2作目として 【モン サン ミッシェル / MONT SAINT-MICHEL】を発表


モン サン ミッシェル 光の聖域 島倉仁

 

 

 

 

 

 

【 モン サン ミッシェル 】

天空を染め上げる紫と黄金のグラデーション。その幻想的な光を背に、静かに佇むのは、潮の満ち引きによって姿を変える神秘の島、モン・サン・ミッシェル。
中世より巡礼者を迎えてきた荘厳な修道院が、今、夕暮れの空と海に映え、まるで夢幻の世界へと誘うかのように浮かび上がります。

悠久の時と祈りが重なり合うこの地を、光と影の繊細な表現で描き出した本作は、現実と幻想の狭間にある“理想の風景”を映し出しています。一瞬の光の奇跡が、永遠の静寂へと変わる、その神秘的な瞬間です。

 

 

 

 

 

 

 

【 ドラフト 】
制作にあたっては、丹念な取材を重ね、幾度となく構想を練り上げながらドラフトを描き進めました。
アクリル、クレパス、色鉛筆──それぞれの素材が持つ特性を巧みに活かしつつ、画面に静かに立ち上がるイメージを丁寧に形づくっていきました。
思索と試行を繰り返しながら、感性と技術が交錯する創造のプロセスが、作品の奥行きを支えています。

【 モン サン ミッシェル部分 】

モン・サン・ミッシェルの修道院、その頂を飾る尖塔は、まさに「祈りの矢」のごとく天を衝き、空と対話するようにそびえ立ちます。荘厳なゴシック建築が描き出す垂直の美と、刻一刻と移ろう空の光彩が織りなす一瞬の交錯。

 

 

厚い城壁に守られた静かな町並み。小さな窓からもれる光が、人々の営みと温もりを感じさせます。修道院へと続く石畳の坂道には、中世の記憶をとどめる家々が肩を寄せ合い、まるで時の流れが緩やかに息づいているかのようです。

雲間から差し込む柔らかな光が、全体を静かに包み込みます。

 


【 島倉仁 SHIMAKURA JIN
1940年 新潟県生まれ。10代で新潟県美術展に入選し、その後、文部大臣賞、郵政大臣賞を受賞。1960年、版画の研鑽を積む傍ら上京し、東宝(株)に入社。黒澤明、岡本喜八、伊丹十三、大林宣彦といった名匠監督作品に参加。また「ゴジラ」シリーズや「ウルトラマン」シリーズなどにおいて描かれる空や雲の表現は、島倉の手によるものである。1981年に東宝を退社し、アトリエを主宰。映画やCM作品の制作に加え、全国の博物館から内装壁画の制作依頼を受けるなど、その活躍は多岐にわたる。テレビやラジオなどのメディアにも数多く取り上げられ、「空の島倉、雲の島倉」としてその名を不動のものとする。1993年には黒澤明監督の映画【 まあだだよ 】における夕景作品が高く評価され、日本アカデミー賞協会特別賞を受賞。同年、自身初の作品【トレメンダス】を発表し、横浜インターコンチネンタルホテルにて初の原画展を開催。以後、全国各地にて展覧会を重ね、芸術家としての歩みを確かなものとしている

 

モン サン ミッシェル

MONT SAINT-MICHEL 


島倉仁 / SHIMAKURA JIN
80号変形(約1470x 1040 ㎜)
1993年制作

Second Creation
 acrylic gouache and acrylic on board


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モン サン ミッシェル

MONT SAINT-MICHEL