GATEWAY SERIES

ゲートウエイ シリーズ

日本で最初に開港された四つの港——世界へ開かれた〈ゲートウエイ〉を描く

 

コンセプト

日本が初めて世界と本格的に向き合った瞬間。
横浜・神戸・函館・長崎——四つの港は、単なる物流の拠点ではなく、思想・文化・価値観が流入する〈ゲートウエイ〉でした。

島倉仁の《ゲートウエイシリーズ》は、港町の風景を描きながら、 その背後にある「時代の転換点」と「日本の記憶」を可視化する作品群です。

夕刻から夜へ移ろう空、静かに灯る都市の光。
それは過去と未来、内と外をつなぐ“境界の時間”でもあります。

GATEWAY EAST(横浜)

ゲートウエイ イースト|横浜

 

日本で最初に開港された港・横浜。
ベイブリッジからMM21地区を望み、都市の光が入り始める黄昏時を描く。富士山の向こうに沈む夕陽は、日本が世界へ踏み出した原点を象徴する。
近代化の鼓動と、未来への期待が交錯する東の玄関口。

 

GATEWAY WEST(神戸)

ゲートウエイ ウエスト|神戸

 

六甲山から見下ろす神戸港。
穏やかな海と沈みゆく太陽が、港町の成熟と品格を語る。

この風景は、震災以前の記憶を留めた原点の神戸。
西から世界を迎え入れた港の、静かな誇りが画面に満ちている。

 

GATEWAY NORTH(函館)

ゲートウエイ ノース|函館

 

函館山から望む、日本屈指の夜景。
異国情緒を宿す教会群と港の灯りが、北の開港地の歴史を浮かび上がらせる。

正教会、カトリック教会——
宗教と文化が交差したこの港は、日本が世界と精神文化を交わした北の入口である。

 

GATEWAY SOUTH(長崎)

ゲートウエイ サウス|長崎

 

洋館が点在するグラバー園の背後、鍋冠山から望む長崎港。
鎖国下においても世界とつながり続けた、日本唯一の窓。

静かな水面と夕景は、交流と受容の歴史を象徴する。
南の港は、日本の柔軟さと知性を物語る場所である。

 

四つの港、四つの方向。
それぞれの風景は異なりながら、日本が世界へ開かれていった軌跡を一本の線で結んでいる。《ゲートウエイシリーズ》は、風景画であり、同時に歴史の肖像でもある。
今を生きる私たちが、どこから来て、どこへ向かうのかーー

その問いを、静かに、しかし確かに投げかける作品群です。

【 島倉仁 SHIMAKURA JIN
1940年 新潟県生まれ。10代で新潟県美術展に入選し、その後、文部大臣賞、郵政大臣賞を受賞。1960年、版画の研鑽を積む傍ら上京し、東宝(株)に入社。黒澤明、岡本喜八、伊丹十三、大林宣彦といった名匠監督作品に参加。また「ゴジラ」シリーズや「ウルトラマン」シリーズなどにおいて描かれる空や雲の表現は、島倉の手によるものである。1981年に東宝を退社し、アトリエを主宰。映画やCM作品の制作に加え、全国の博物館から内装壁画の制作依頼を受けるなど、その活躍は多岐にわたる。テレビやラジオなどのメディアにも数多く取り上げられ、「空の島倉、雲の島倉」としてその名を不動のものとする。1993年には黒澤明監督の映画【 まあだだよ 】における夕景作品が高く評価され、日本アカデミー賞協会特別賞を受賞。同年、自身初の作品【トレメンダス】を発表し、横浜インターコンチネンタルホテルにて初の原画展を開催。以後、全国各地にて展覧会を重ね、芸術家としての歩みを確かなものとしている